知り合ったジェニィとの冒険が始まる。
ピーターの家庭は、彼をばあやに任せきり。
母親は出かけてばかりいるし、父親は軍人なので引越しばかり。
ある日、猫を追いかけたピーターは道に飛び出し交通事故に。
その際、白猫になってしまった。
痛い思いをし、濡れてしまったピーターを救ったのがジェニィ。
毛づくろいからネズミの捕り方まで彼女から教わる。
人を信用しないジェニィ。
かつて人に飼われていたものの、捨てられた経験が彼女にとってトラウマになっていた。
船着場の親切な老人は、飼い猫として二匹を受け入れようとしていた。
しかしスキを見て逃げ出してしまう。
二匹は船に密航し、グラスゴウへ向かう。
ネズミを捕まえるという役目を果たしながらの航海だった。
結局、ロンドンに戻ってきたジェニィとピーター。
だが、小屋のお爺さんは亡くなっていた。
ジェニィを懸けたピーターとデンプシーの決闘。
そして大団円。
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猫の視線から見た人間の世界。
日本では送籍が描いた。海の向こうではギャリコが作品に残した。
作者のギャリコが亡くなっても、作品は永遠に生き続ける。
この作品を読んだ人たちの中で、ジェニィが生き続けるように。
塔の上に上ってしまい、降りられなくなるピーターとジェニィ。
猫は「降りられない」という状況に陥ることがある。
私の飼っていた猫もそうだった。
ある製麺所に嫁いだ女性は、かつて飼っていた猫についてこう語った。
製麺所はネズミが多くいる。そのネズミを老いたメス猫が捕まえた。
飼い主の前にネズミを並べておいたのだそうだ。
まるでジェニィとピーターのようだ。
この作品、猫好きの人にはよく理解できる。
好きでない人でも何割かは猫が好きになる。そんな作品だ。
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ジェニィ ー ポール・ギャリコ
ジェニィ(ポール・ギャリコ著)
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