ネタばれあり。
洋食屋のコックだった父親。「アリアケ」という店ではハヤシライスが自慢。
このハヤシライスが後に大きな意味を持つ。
三兄妹が夜中、流星を見に行っていた間に妻とともに包丁で刺され、殺されていた。
両親を失った三兄妹は、施設で育つ。
そして、「騙すより騙される側」との考えから詐欺で金を稼ぐ。
長男功一と、長女の静奈が詐欺の被害に遭ったためだ。
3人が次のターゲットに選んだのがレストラン経営の御曹司、行成。
しかし、彼の父親である政行が両親を殺した犯人ではないかという疑いがあった。
泰輔が店にいた人物を見ていたからだ。その姿は政行だった。
事件発生から14年と時効が迫る中、3人は証拠品を警察が見つけるよう仕向ける。
果たして彼らの狙い通りに事件解決となるのか。
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実は、読む前に私は犯人を知っていた。
なのでこの作品を読むのが遅くなった。
3人と犯人はどうすればよかったのか。
私には他の選択肢を示すことができない。
政行の罪というのは道義的に重いのではないか。
そんなことを考えた。
流行作家、東野圭吾らしい作品だが、結構粗い。
多くの読者がカタルシスを得られる作品ではない。
泰輔の心情を描いているようでいて描けていない点。
全体としてご都合主義。
文庫で600ページを超えるが、読むのにそう時間はかからない。
「軽く読めて結末が悲惨でない」という点では救いがあるのか。
細かい話で恐縮だが、香水は「匂い」ではなく「香り」だ。
もうひとつ、ニセ刑事となった兄弟が名乗ったのが「草薙」と「加賀」。
ガリレオシリーズの刑事と、「新参者」、「麒麟の翼」などの加賀恭一郎のこと?
この作品はドラマにもなっているが、私はまったく観ていない。
一部では「まったくダメ」との声もある。観なくてよかった?
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