2015年01月14日

「国境の南、太陽の西」村上春樹

バー経営で成功した男の前に、好きだった女性が現れた。
もちろん再読。

 

主人公は一人っ子のハジメは中流の上の家庭に育った。
小学校で島本さんという足の悪い女の子と親しくなる。
彼女もまた一人っ子だった。

彼女の家に何度か遊びに行き、クラシックのレコードを聴いた。
しかし引越しにより家が二駅ほど離れたことで彼女との交流ははそれきりに。

高校でハジメはイズミという彼女ができる。
しかしイズミの従姉と何度も寝てしまうハジメ。
このことで、二人はひどく傷つき別れてしまう。

地元を離れ、東京の大学へ進んだハジメ。
卒業後は教科書の編集をする。しかしこの仕事はつまらない。

雨宿りの際、知り合った女性と付き合い結婚したハジメ。
義父の勧めでバーを経営し、成功する。

雑誌に店が紹介され、昔の知り合いがやってくるようになる。
その後、島本さんも来店。彼女は謎が多かった。

一緒に石川県にある川まで行ってほしいと頼まれるハジメ。
彼女は自分の子の位牌をその川に流した。

気持ちが島本さんへ傾いたハジメはある決心をする。

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不倫を東野圭吾が描くと「夜明けの街で」に。
春樹が描くと本書のようになる。

東野の場合は明らかに失敗作。
しかし、春樹は過去の想いを「喪失と再生」によって表現した。
その意味からすれば、本書は単なる不倫物語ではない。

春樹は早稲田卒業後、実際にバーを経営していた。
そのバーは、千駄ヶ谷にあったという。

一度失われたものは戻らない。
当たり前のことだが、思い出だけは頭の中に残る。
思い出は時に美化され、人を動かす。

シンプルな文章の連続だが、ずっと読んでいたい。
作品の世界に浸っていたいと思わせる出来。

20年ほど前に読んだ際は感じなかった新鮮さがある。
それは、最初に読んだ際は経験が不足していたためだろうと解釈している。

この作品、「ねじまき鳥クロニクル」と関係が深い。
春樹自身がインタビューでそう述べていたはず。

1991年2月にアメリカに渡り、プリンストンの住まいに落ち着くと村上はすぐに『ねじまき鳥クロニクル』の執筆にとりかかった。1年あまりをかけて書き上げたもの、妻から「多くの要素が盛り込まれすぎている」と指摘され3つの章を分離させる。その除かれた3つの章が本書の元となった。
(囲み部分、「国境の南、太陽の西」wikipediaのページより引用)

私は再読をしないほう。
作者がどんなことを考えているのか理解するための再読はしてもいい。

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posted by りゅうちゃんミストラル at 15:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする