2014年12月17日

「まゆみのマーチ 自選短編集・女子」重松清

昨日の男子編「卒業ホームラン」に続いて今日は女子編。
厳しい現実を描きながら、どこかに救いがある。重松ワールド炸裂の一冊。

 

「まゆみのマーチ」

母の死がすぐそこに迫っている病院。
しっかり者の兄と、妹まゆみが再会した。

まゆみは歌が好きだった。
学校でも歌ってしまう彼女に、担任は容赦しなかった。
好きだった学校に行けなくなった彼女を母親が粘り強く支える。

「ワニとハブとひょうたん池で」

私立の中学に通うミキ。学校でハブられる。
ワニがいるという大泉公園の近くにあるマンションに住む。
エサをワニにやるという女性に会ったミキ。

「セツちゃん」

よくできた娘、加奈子は中二。
転校してきたセッちゃんがクラスでいじめられていることを両親に話す。

セッちゃんという生徒は存在しなかった。
いじめられていたのは加奈子だった。

両親はそのことを知ってはいたものの本人には言えない。
父親がふと見かけた身代わり雛を家族三人で流す。

季節に関係なく売れるという身代わり雛。
この世に不幸が多いということの証明。誰が買うのか。

「カーネーション」

電車の中に忘れられたカーネーション。
人それぞれに物語あり。

多重構造の作品。
花言葉は知らなかった。

「かさぶたまぶた」

政彦には浪人が決まった息子と、小学校卒業を前にしたしっかり者の娘がいた。
娘の様子がおかしい。
私なら「つっかい棒」という題にする。

「また次の春へ おまじない」

50近い主婦のマチコは、震災直後に来た津波の映像を目にする。
彼女が小さい頃住んでいた町も津波に飲み込まれた。

被災者を他人に思えない彼女は、車に救援物資を積み現地へ。
かつて自分が伝えたおまじないを見る。

この作品、318ページに「東京に帰って」とある。
マチコさんがどこにいるのかが私には分かりにくかった。

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二冊の短編集は、印税をあしなが育英会に寄付するという。
重松本人は「偽善」と書いていたが、そんなことはない。
こうした試みはいろんな作家にしてほしい。

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posted by りゅうちゃんミストラル at 16:18| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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