2014年09月22日

「空の拳」角田光代

角田がボクシングを描くとこうなる。
日経夕刊に連載した作品。私には物足りなかった。

 

主人公の空也は出版社勤務の25歳。
文芸編集部希望だが、何故かボクシング専門誌「ザ・拳」へ異動となる。
何も知らない空也は、取材で訪れた鉄槌ジムに入門しボクシングを体験する。

鉄槌ジムではホープの立花、坂本や中神などと知り合う。
立花は東日本新人王準々決勝に勝ち残っていた。

リングでは悪役だが、話してみると普通の青年。
トレーナーの有田は、立花が辛い生い立ちであること。

以前、少年院にいたこともあると話す。
後にこのことが問題となるのだが・・・

立花は東日本の新人王となり、東西対決でも勝つ。
日本ランキング12位の位置をつかみ、日本王者が見えてくる。

坂本は立花とは違い、堅実に勝っていく。
最もキャリアのある中神は、ハングリーさが足りない。

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「リング RING」「ボックス!」の百田尚樹ではない。
「一瞬の夏」の沢木耕太郎でもない。
あの角田がボクシングの世界を描いた。

女性が描く男の世界は、妙にサラサラしている。
角田も例外ではない。ギラギラ、ドロドロ感が不足している。

殴られる痛みや筋肉痛などの描写が足りない。
特に空也は運動が苦手なのだから、その点を描くべき。

かなり昔のことだが、私は後楽園ホールに東日本新人王決勝を観戦したことがある。
無料チケットをもらったためだが、いい経験だった。

席ではなく2階の通路から観ていたが、近くにはアナウンサーの卵がいた。
実況の練習をしていたのがとても参考になった。

この作品を読んでボクシングに興味を持った人がいたら。
一度直に観戦してみるといい。新人王決勝は各階級が見られてお得だ。

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posted by りゅうちゃんミストラル at 15:55| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする