かなりブラックな作品もあるが、そればかりではない。
作品数が多いので一部だけ紹介。
「孤独」
役所に勤務している老いた事務員。
家族のない彼は、仕事を終えると馬車でレストランへ。
自宅に帰ってピストル自殺する。
行間に老人の孤独がよく出ている作品。
「父」
母が病死し、息子に手紙を残した。
その手紙には、実の父が別にいるということが書かれていた。
驚愕の内容にうろたえる息子。
息子は育ての父親を慕っている。
その名前を読まず、彼は手紙を燃やしてしまう。
人情味ある作品に仕上がっている。
「生さぬ児」では逆に、悲劇が待っている。
この作家、寝取られ夫を何度か描いている。
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映画「フォレスト・ガンプ」はこんな文章が出てくる。
「人生はチョコレートの箱、開けるまで何が入ってるかわからない」
この本は、まさにチョコレートの箱みたいなもの。
次にどんな作品が出てくるのか、まったく想像ができない。
私が読んだのは創元推理文庫(田中早苗訳)。
江戸川乱歩や夢野久作の評が読めるというのもこの本のいいところ。
日本におけるショートショートの第一人者、星新一も影響を受けたであろう。
読んで損はない一冊。
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