2014年06月11日

「白い人・黄色い人」遠藤周作

日本人にとって神とは何か。
罪深い人とキリスト教を描く。「白い人」は芥川賞受賞作。

 

「白い人」

主人公は斜視がコンプレックスになっていた男。
大学入学資格試験に合格した。

リヨン大学に入学した彼。
父親はフランス人、母はドイツ人だった。

フランスはナチスドイツが占領。
彼は秘密警察(ゲシュタポ)に協力する。

外見が醜い神学生ジャックはマキの連絡員に。
秘密警察に拷問を受ける。従妹を呼び出され、舌を噛み自殺する。

作品でも描かれているが、キリスト教徒にとって自殺は厳禁。
ジャックはどうすればよかったのか。

「黄色い人」

所かわってB29が来襲する宝塚。
主人公の医学部学生は結核だった。戦争で死ぬか、病気で死ぬか。
彼は友人佐伯の婚約者、従妹を犯す。

もうひとり登場するのがデュラン。
キリスト教指導者だった彼は女を犯したことで身分を失う。
信者からは石を投げつけられる。
ピストルを預かること、そして神父を憲兵に売るという裏切り。

***** **** ***** ****

両作品に共通しているのは、人間の罪。
どんな人も何かの罪を背負っている。
そうでなければ、キリスト教をはじめ多くの宗教は絶えているはず。

「日本人にとってのキリスト教」なら、「沈黙」も同じ。
「白い人」が芥川賞受賞したのは昭和30年。
遠藤はこのテーマを死ぬまで追い続けていた。

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関連記事

「白い人・黄色い人」(新潮文庫) 遠藤周作  

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2014年06月10日

「でーれーガールズ」原田マハ

漫画家のアユコは母校の創立120周年記念の講演に招かれた。
27年ぶりに岡山へ帰ったアユコ。

 

アユコを呼んだ教師の荻原一子は旧友の武美だった。
高校時代、アユコはヒデホという想像上の恋人がいた。

ヒデホは実際にいると思っていた武美。
かつての棘を思い出すアユコ。そして講演の日がやって来る。

武美が急死したと知らされるアユコ。
彼女は講演会で叫ぶ。

***** **** ***** ****

正直に書く。これは駄作。
高校時代と現在をクロスさせるのは理解できる。

その割りに内容が薄い。
直木賞候補となった「楽園のカンヴァス」が面白かっただけに残念。

誰かが死ねば感動する?
小説とはそんな物なのだろうか。私は違うと考える。

岡山県の作家といえば思い出すのが岩井志麻子。
そして重松清、あさのあつこ、吉行淳之介、小川洋子も岡山。
結構いるもんだ。

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関連記事

原田マハ『でーれーガールズ』  

でーれーガールズ  原田マハ

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2014年06月09日

「遠野物語」柳田国男

遠野で集めた民話集。民俗学の本としてはもっとも有名なもののひとつ。
改めて読んでみるととても興味深い。

 

まず、アイヌ語が多い。
青森などでもアイヌ語を語源とした地名などは多く存在しているのだろうか。

河童や座敷童子、オクナイサマ、オシラサマ。
ゴンゲサマ、山姥、雪女などが紹介されている。

中でも興味深かったのが羽衣伝説。新潮文庫では拾遺の3から紹介されている。
鶴の恩返し(夕鶴)にも通じているこの話。
見るなのタブー」でもある。

拾遺21には栃の木と娘に関する民話が紹介されている。
この話は、「九月が永遠に続けば」(沼田まほかる)に出てくる。

座敷童子に会えるという宿があるという。
今でも会えるんだろうか。河童も近くにいる?

前に読んだ際、気がつかなかったことが多く、とても新鮮。
今、小泉八雲の本を読んだら、違った感想が書けるかもしれない。

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柳田国男『遠野物語』

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2014年06月08日

「楽園のカンヴァス」原田マハ

絵画に込められた物語。
引き込まれた。山本周五郎賞受賞、直木賞候補、本屋大賞第3位。

 

始まりは2000年の倉敷。
大原美術館で監視員をしていた43歳の早川織絵が主人公。
彼女はシングルマザーでもあった。

館長に呼ばれ、そこで新聞記者を紹介される。
展覧会開催にあたって、ニューヨークまで交渉役として向かってほしい。

かつてパリで博士号を取った織絵。
彼女の経歴が明らかになる。

そこから話は飛んで1983年。
ニューヨーク近代美術館でアシスタントをしていたティム・ブラウン。
スイスのバーゼルに招かれる。

そこで織絵と会い、彼女とルソーの作品について講評で勝負することに。
毎日「物語」を交互に読んで、1週間後に真贋を述べ勝ち負けを決める。
勝てば「夢を見た」を手に入れることがきる。

実はこの勝負、代理戦争だった。
ティム・ブラウンは、上司であるトム・ブラウンの代わり。
織絵はキースの代わりだった。

それぞれサザビーズとクリスティーズが背後にある。
決着はどのようになるのか。

***** **** ***** ****

自分が知らない世界を小説で表現できるのは貴重。
ウロコが何枚も落ちた気がする。

ミステリーとしても興味深く読めた。
インターポールや絵の秘密など盛りだくさん。
終わり方も清清しくて好感が持てる。

ティムが青臭くていい奴。
こうした人が、美術を支えているものと信じたい。
裏側はドロドロなんだろうけど(汗)。

作者は原田宗典の妹。
関西学院大を出た後、早稲田で美術を学んだ。

絵画に対する愛情が文章に込められている。
粗いが注目に値する作家だ。

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「楽園のカンヴァス」原田マハ  

楽園のカンヴァス(原田マハ)

「楽園のカンヴァス」原田マハ

原田マハ 『楽園のカンヴァス』  

原田マハ著 「楽園のカンヴァス」読了〜♪

■[ミステリ]原田マハ『楽園のカンヴァス』を読む

「楽園のカンヴァス」(原田 マハ 著)を読んだ感想、書評

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2014年06月07日

「九月が永遠に続けば」沼田まほかる

身近で人が死ぬ。そして息子は失踪。
04年ホラーサスペンス大賞受賞作。「まほかる現象」の始まり。

 紫陽花

主人公は佐知子41歳。精神科医の夫と8年前に離婚した。
今は高3の息子と暮らしている。

教習所の教官、犀田(25歳)と肉体関係にある。
25歳の男が41歳の女性とつき合うというのがまず理解できない。
しかも、女子高生ともつき合っているとは!

ある夜、ゴミを出しにいった息子が戻らなかった。
焦燥感を募らせる佐知子。犀田が列車に轢かれて死んだことを新聞で知る。

雄一郎の再婚相手は患者だった亜沙実。
凄惨な事件(内容が気持ち悪い!)の被害者だった。

***** **** ***** ****

解説まで含めると約500ページある長編。一言で表現するなら気持ち悪い作品。
「デビュー作は作家のすべてが入ってる」というのがよく分かる作品だ。

陰惨な部分は「ユリゴコロ」「痺れる」
猫の部分は「猫鳴り」につながる。

何をどう表現するか、またはあえて書かないか。
バランスの悪さが小説慣れしていない作者であることを証明している。

素朴な疑問なんだけど、どうして息子は電話の一本も母親に入れなかったのか。
理解に苦しむ。
「心配しないで」と連絡することで、展開は大きく違っていただろうに。

ホラーサスペンス大賞受賞が決まった時、沼田は56歳だったそうだ。
年齢だけを言えば、こんな新人作家がいてもいい。

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「九月が永遠に続けば」沼田まほかる

沼田まほかる『九月が永遠に続けば』  

九月が永遠に続けば/沼田まほかる

沼田まほかる『九月が永遠に続けば』

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2014年06月06日

「骨折」ディック・フランシス

脅迫した男は、金以外の要求をした。
競馬シリーズ第11弾。

 白

主人公はニール・グリフォン。
ある夜、2人組の男たちに誘拐された。

誘拐した男たちは間違っていた。
本当は調教師であるニールの父親ネヴィルを誘拐するはずだった。

だが、父ネヴィルは交通事故で入院中だった。
誘拐犯の要求は、多くの優駿を管理していたロウリイ・ロッジに新たな騎手を雇うこと。

ロウリイ・ロッジのエース馬、アークエンジェルに乗せろという。
そしてダービーで勝たせろとも。
しかし、ロウリイ・ロッジにはエースジョッキーのトミイ・ホイレイクがすでにいる。

その男、誘拐犯首領の息子であるアレクサンドルは次の日にやって来た。
18歳と若い彼は、馬の世話をしないと言い放つ。
女性厩務長エティは、アレクサンドルに反感を持つ。

厩舎では、かつて障害レースで活躍したムーンロック。
そしてインディゴが相次いで骨折する。

父親がいない厩舎で不当な要求。
ニールはどのようにしてこの危機を乗り越えるのか。

***** **** ***** ****

この作品で描かれているのは、骨折より親子関係。
競馬ばかりではないところが、作家フランシスの腕の見せ所。

ニールと父親、そして誘拐犯とアレクサンドル。
何でも言うことを聞いてくれるのがいい父親ではない。
後半になると、アレクサンドルは父親の要求に頭を悩ますことになる。

マーガレットからアレクサンドルが宿泊しているフォーリィ・インの情報を得るニール。
このあたりは辻褄合わせのご都合主義。

しかし、経営面でロウリイ・ロッジが抱えている問題をずばり指摘するニール。
このあたりは痛快だ。
専門家だからこそ、問題が見えないというのはどこの世界にもある。

もうひとつ、性的不能になる病気は他になかったか。
ありそうな気がするんだけど、どうなんだろう。

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関連記事

ディック・フランシス『骨折』  

骨折/ディック・フランシス

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2014年06月05日

あじさい電車(箱根登山鉄道)

一度は見に行きたい!

 

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2014年06月04日

「ビブリア古書堂の事件手帖3 栞子さんと消えない絆」三上延

鎌倉にある古本屋の女主人、栞子が謎を解決。
シリーズ第3弾は母親である智恵子の存在が大きい。ネタばれあり。

 

プロローグ「王さまのみみはロバのみみ」

栞子の妹、文香のモノローグで始まる。
今までのエピソードを補完。
そして今後の展開にとって大きな伏線となっている。

ロバート・F・ヤング「たんぽぽ娘」

商品の入れ替えが必要なビブリア古書堂。
市場で商品の仕入れをすることになった栞子と大輔。

入札するものの、10円の差で落札できず。
ところが、ビブリアが入札した「たんぽぽ娘」が紛失していたという。

栞子の母親は、物語に出て来ない。
しかし商売敵は嫌っている。今後大輔との仲に影響が出るのか。

この「たんぽぽ娘」を図書館で検索したら、2冊とも貸し出し中だった。
この本で紹介された影響?それとも以前から人気だった?

「タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの」

以前、買い取った本に関連して謎解きをした話の続き。
前科者の夫を持つ坂口しのぶと会った大輔。
彼女が昔読んだ本を探してほしいと依頼を受ける。

ヒールのない靴、タバコをやめた理由。妊娠だったのか。
このエピソードは希望が持てる終わり方。

宮澤賢治「春と修羅」

栞子の母である智恵子。彼女の同級生、玉岡から依頼された栞子。
家にあった「春と修羅」が盗まれたという。

玉岡が言うには、兄か兄嫁が怪しいとのこと。栞子が鋭く謎を解く。
引用から実際に本を読んでいるか否かを当てるのは流石。

先月読んだ、「レ・ミゼラブル」がキーになっていたとは。
何と遠まわしのヒントなのか。

エピローグ 「王さまのみみはロバのみみ」

母の智恵子と手紙のやり取りをしていたのは、妹の文香だった。
栞子が探している「クラクラ日記」も彼女が持っていた。
今後、どのように話が進むのか気になるところ。

***** **** ***** ****

さすがにこの3巻から読む人はいないだろう。
ということで踏み込んだ内容となっている。

各エピソードがそれぞれ独立してはいるが、続きが読みたくなる構成。
第4巻は図書館で予約待ちの状態。いつか読めるはず。

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関連記事

「ビブリア古書堂の事件手帳3〜栞子さんと消えない絆〜」三上延

「ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~」感想

ビブリア古書堂の事件手帖 3 栞子さんと消えない絆  

「ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~」 三上 延

「ビブリア古書堂の事件手帖3 〜栞子さんと消えない絆〜」  

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~4

読書日記362:ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ by三上延

ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆〜(三上延)

ビブリア古書堂の事件手帖3

三上延 「ビブリア古書堂の事件簿3 栞子さんと消えない絆」

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2014年06月03日

日本、コスタリカに3−1と逆転勝ち!

タンパで行われたワールドカップ前の強化試合。
日本はコスタリカ相手に先制されたものの、逆転勝ちした。

 

日本vs.コスタリカ(スポーツナビ)

ザックは故障から復帰した内田を先発起用。
後半26分まで元気な姿を見せた。

その反面、同じく故障明けの長谷部はベンチ。疲労が目立ったためだという。
大久保は先発で前半のみの出場。

日本はキックオフから鋭い動きを見せた。
しかしゴールを割れないまま時間が経過する。

こうなるとコスタリカに流れが来る。
前半31分にルイスが先制し、0−1でハーフタイムに。

遠藤は後半から出場したが、本田と香川のパス交換からチャンスに。
内田がスルーし、遠藤が決めて同点。

その後も香川と柿谷が決めて3−1でタイムアップ。
大会前に自信がつく形で勝利した。
重要なのは、香川と柿谷のゴール。本大会でも見せてほしい。

守備の修正ができたこと。内田が動けたこと。
いろんな点で評価できる試合だった。

マイナスは、前半に決め手を欠いた点。
せっかく試合を有利に進められるチャンスを失った。

日本チームは今後、ザンビア戦(6日)の後ブラジル入りする予定。
地球の裏側で、日本はどんな戦いをするのか。

今怖いのはケガと油断

万全の状態でブラジル本大会へ挑め!


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ラベル:コスタリカ
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2014年06月02日

「月の松山」山本周五郎

戦前から戦後にかけ出た短編を収録。
時代小説だけでなく、現代小説も最後に登場。
 
月の松山

月の松山
価格:680円(税込、送料別)


10の短編のうち、一部を紹介。

「羅刹」

面作り師の宇三郎。師匠の娘と恋仲だった。
3人いる弟子でくらべ打ち(今で言うコンペ)を行うことに。
勝者が師匠の娘と結婚し、師匠の後継者となる。

宇三郎は信長をモデルとして面を作ることを決めた。
モデル観察のため、本能寺まで出かける。

明智に裏切られる信長。その姿を面にする宇三郎。
面はできるが、後継者としては認められなかった。

宇三郎はその面を自分の手で壊す。
師匠は面に込められた悪の顔を弟子の宇三郎に気がついてほしかった。

信長の若き秘書官、森蘭丸も登場するなど豪華。
作者の意図がよく理解できる作品に仕上がっている。

「荒法師」

この作品を読んでいて思い出したのが「のぼうの城」(和田竜)。
忍城(おしじょう)が出てくるし、三成がそれを攻めるのまで同じ。

この作品が出たのは昭和19年のこと。
山本は、戦争に協力する作品は書かなかったと述べていた。

しかしながらこの作品には「どこまでも戦う」という戦争の影が見える。
もし、主人公の僧が戦うことの無意味さを訴えていたなら。
作品自体が世に出なかったかもしれない。

「追いついた夢」

商人の和助に身を売った女性、おけい。
和助は新たな生活を夢見て長い間準備をしてきた。
しかし隠れ家に行く途中、卒中で倒れてしまう。

山本は悪人に対してはどこまでも冷たい。
そのことが、この作品では救いとなっている。

「月の松山」

道場の師範代を務める孝也は医者から100日の命と宣言される。
そのことを誰にも話さず、弟弟子の西秋に厳しく稽古する孝也。
奉納試合が迫っていたからだ。

余命が知れた場合、武士はどのように生きるか。
日本人のひとりとしてこの生き様は記憶したいものだ。

***** **** ***** ****

最後に出てきた「恋愛第六番」。
唯一の現代小説でテンポは早く、意図はわかるが私にはもうひとつだった。

山本の作品は当たり外れが激しい。
ただし、「みんな外れ」ということはまずない。

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関連記事

山本周五郎著「月の松山」  

本の話〜『月の松山』(山本周五郎著)

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2014年06月01日

ありがとう、さよなら国立競技場

5月31日、取り壊される国立競技場で記念イベントが行われた。

 

国立競技場:SAYONARA 思い出の聖火リレーで点火(毎日新聞)

聖火リレーやブルーインパルスも登場。
多くの人が別れを惜しんだ。

国立でまず思い出すのは雪の早明戦。

 

攻める1敗の明治。そして必死に守る全勝の早稲田。
その後のルールなら、間違いなく認定トライで明治が勝っていた。
思い出すだけで涙が出そうだ。

サッカーはJリーグ開幕戦。
もちろんスタンドで観ていた。

 
マイヤーのシュートと逆転劇。
日本サッカーの歴史が変わった日だ。

***** **** ***** ****

いろいろ批判のあった新競技場は2019年に完成する予定。
東京五輪でどんなドラマを見せてくれるのか。

ありがとう国立!そしてさよなら

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ラベル:国立競技場
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